将来の夢

「将来の夢」


小学生の頃に書かされた作文のタイトルみたいなことを、一日中考えていた。

地元を出たら、程よく都会なところに住んで、だらだらとバイトをしながら、休みの日には音楽聴いて、本読んで。

バイト先はどうしよう、俗世間から離れたような、古書店とか。クリームソーダのおいしい純喫茶でもいい。


特にやりたいこともない。

好きなことは音楽とお笑い。

小さい頃は文を書くのが上手いなんて褒められたこともあったけど。本だってほぼ読まなくなってしまった。


こないだの晩御飯の後、妹二人がカンカンに入った小さい頃の写真を引っ張り出してきた。


無邪気に笑うわたしたち。


若い両親。


子供の頃に戻りたいとか、思う時点でダメダメ大人。

たまに、一丁前に死にたいなんて思うこともあるけれど、それはいつでも本気だし、本気だったことはない。逃げ。逃げ?はいはい、わかってる。何がわかってるの?うっせー。嫌なもんは嫌だし、逃げることの何が悪ぃんだよ。ふぞけんな、いい子ぶんなよ。自分の心の中のくせに。

気分が沈むと、人格が二人になる。そして、だいたい後からでる奴が優勢。てか、ダダコネの執念勝ち。


ねむいし、塩パン食べたいけど痩せたいし、可愛くなって彼氏作りたい。東京で、静かだけどお洒落なお店でアルバイトして、楽しく穏やかに生きていきたい。

わたしだって、綺麗な部屋で、料理して、たまにぬか床を混ぜたりしたかった。できる。別に、全然叶えられる夢なのに。欲のない人間だなあ。それ、短所だよ。